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新生「ボブソン」が目指す、モノづくりの強みを活かした価値提案


新生ボブソンの齋藤俊一社長(左)と、吉田浩二会長

新生ボブソンの齋藤俊一社長(左)と、吉田浩二会長

今年11月4日にブランド譲渡が完了し、新体制による再スタートを切ったボブソン。「あらゆる意味で注目されている」と吉田浩二会長は開口一番、能動的な変革であることを強調した。

新体制のテーマは、挑戦と創造。これまでのメーカーとしての機能と背景、そして、機械だけでは生まれない職人たちと創り上げてきた実績、ノウハウを経営戦略の軸に、高品質、高付加価値のモノづくりを推し進めていく考えだ。

「ボブソンが歩んできた60年のモノづくりの実績や歴史は、メーカーとして価値あるもので、今の時代のモノづくりとは根本的に違う。そうした強みを再認識し、新しいボブソンスタイルを確立していくことが今後の方向性になる。ただ、具体的には、あらゆる可能性を否定せず、ジーンズにも固執しない」と齋藤俊一社長は語っている。

新しいボブソンスタイルのひとつ、「ボブソン」ブランド

新しいボブソンスタイルのひとつ、「ボブソン」ブランド

2010年春夏展示会では、メンズ・レディスともに、新たに「ボブソン」ブランドを発表。メンズは、ワークテイストとアメカジの2つのラインを提案。レディスではボーイズテイストのストレートを軸にハードな加工を施しつつ、値ごろ感のある価格帯をアピール。他にも、リメイクものやヘリンボーンデニム、ヘリンボーンカラー、ショートパンツなどを揃えている。今後は同ブランドの構成比率を高めていく予定で、トップスや雑貨もアイテムに加えてライフスタイル提案に力を入れていく。

また、OLが中心ターゲットの「Queen‘s Low(クイーンズ・ロウ)」は価格帯を見直すなど、トレンド感のあるデザインと素材に買いやすさをプラス。30代、40代の大人の女性向けにコンサバベーシックのジーンズを提案する「S.Q.J」は、高機能特殊加工「Tio Tio(ティオ・ティオ)」を今季の新作すべてに施している。同加工は空気触媒清潔加工で、抗菌作用、消臭効果、防汚効果、帯電防止、花粉脱落効果、ホルムアルデヒト対策、空気環境の安定化など、未来の技術として大きな注目を集めるもの。現在、1業種1社という取り決めで、ジーンズメーカーでは同社のみが使用を許可されている。

トレンド感のある「Queen’s Low(クイーンズ・ロウ)」は価格帯を見直した

トレンド感のある「Queen‘s Low(クイーンズ・ロウ)」は価格帯を見直した

ジーンズの基本にこだわった「S.Q.J」は新商品すべてに高機能特殊加工「Tio Tio(ティオ・ティオ)」を施して提案

ジーンズの基本にこだわった「S.Q.J」は新商品すべてに
高機能特殊加工「Tio Tio(ティオ・ティオ)」を施して提案

そしてもうひとつ、同社が付加価値の高いアイテムを提案していく中で大きな切り口となるのが、山口工場による”メイド・イン・ジャパン100%“のモノづくり。インフラを縮小してのぞむ新体制では、本社を東京に移管し、モノづくりは岡山を拠点に行うという。販路はブランドの価値を理解し、共有できる小売店との取り組みを強化する一方、消費者に直接働きかけるようなプロモーションなども仕掛けていくという。次回の展示会ではさらに具体的なボブソンスタイルが登場するだろう。期待したいところだ。

(有限会社ビジョンクエスト・田中千賀子)